簡単なホームページの作り方第十回目
「補足情報」

 今回はいままで行ってきたHTML講座の内容と、2004/02後半現在のブラウザを利用する現状を考えての「補足情報」です。
 また、申し訳ないのですが、私自身の反省も込めて書いてみようと思います。

いろいろなこと
 最初に私がWebページを作成したきっかけが、大学時代の友人達と「ゲームレビューのサイトを作る」というところから始まりました。
 当時は、Windows95の発売・順調な普及、DOS/V互換機PCが自作できる事による、(当時としては)低価格PCの購入が可能、
 Internetというネットワークインフラの一般的な認知・普及の走りという時代で、しかもマスコミや当時の政府の構想のおかげで、
 PC=Internet=Webサイト(一般的にホームページ)の作成・巡回という図式が急速に発展していった時代でした。
 そんななか、私もそのご多分に漏れず、親から借金して自作PCを作成(Internet接続まで25万。当時としては中堅)するという
 そんな状況でした。
 
 Webサイトの作成に魅力を感じたのは、自分が作成した文書や絵などのコンテンツが、能動的に自分から情報や意見を世界中に発信できることでした。
 それまでは何かしらの文書や絵などを作成しても、一部の人たち(周り)にしか伝えられない(それでも十分かもしれませんが)ということで、
 ある意味、狭くて、しかも受動的な形しか取れませんでした。
 それがWebサイトの作成で、能動的になるという部分は、(当時として)かなり魅力が高かったものです。
 しかし、そもそもWebサイトの作成とは、どうすればいいのかわからず、友人に聞いたり、他のHPを巡回したりという方法で情報を収集してました。
 
 気が付けば、たまたま周りで新たにWebサイトを作成するという人が増えて来たため、その都度その場で教えていたのですが、
 せっかくなので、「これだけ知ってれば、簡単なWebサイトなら作れるよ」というページを作ろうという意欲が湧き上がってきたのでした。
 そのため、この講座は「簡単なHPの制作講座」であって、「HPの簡単な作り方」や「HP作成講座」とはならなかったのです。
 
 作成し始めたのが、大学四年も終わろうかという時で、(留年してましたが)時間がかなりあったため、「まあ、いつかは最後まで書けるだろう」
 という、生来のいいかげん主義で作成してました。
 ですが、このいいかげん主義のため、気がつけば大学も卒業し、社会人となり、仕事が忙しくなり・・・
 当初と現在のWebの利用方法や技術がかなり変わってきています。
 現状では、自分が作成したような程度の低いHP作成講座のページなどほとんどなく、質・量ともに良いサイトがたくさんあります。
 そのため、途中から「もう作らなくてもいいや〜」という感じで数年もほったらかしにしていました。
 
 今回、けじめをつけるべく、一旦、このHPの作成講座を終わりにしようと思います。
 
 あくまでも、「簡単なHPの作成講座」としての終わりとして、難しいことは書かないですが、これを書き始めた当初と変わってきている部分や、
 次のステップアップのための情報・変更したほうがいい点などを記述しようと思います。
 

ブラウザやHTMLのバージョンのこと
 私が作成し始めた当初は、ブラウザといえばNetscape3.0/4.0が主流で、IE3.0/4.0はまだあまり使う人がいませんでした。
 Netscapeが主流だった理由が、たしか、「画像表示をする場合、(IEより)速く表示される」という噂が流れていたからでした。
 当時は今のようなブロードバンド&常時接続ということはなく、モデム(しかも、当時最速は33.6kbps)+ダイアルアップ(時間課金)
 という時代で、必要な情報を短い時間で効率よく取得するという事がとても大事でした。
 そのため、情報量(バイト数という意味で)が多い画像の表示が速いということは、それだけ短時間で表示される=時間が少ないので、
 電話代が安くなる・・・というのはとても大事な時代でした。
 今でも、当時のことを思い出すと、今のブロードバンド時代はとても快適に思えますし、制約が少ないため、当時は夢であったことが、
 普通にできるというのは、本当にいい時代になったと思います。
 
 そんな時代から書いていた当講座なので、情報としては古い部分が数多くあります。
 しかし、できる限りその古くても新しくても、対応できるように・・・そう心がけてきたつもりです。
 そのため、当講座で書かれている情報はそのまま利用しながら、新しい部分を新たに覚える、という方法でも問題なくサイトの作成はできると思います。
 現在、Netscapeのシェアは落ち込み、噂によれば、IEの利用率が90%を超えているとの事です。
 理由はいろいろとあるのでしょうが、私的に考えてみると、IEのバージョンアップが一定期間ずつ行ってたのに対して、Netscapeのバージョンアップが
 一時期滞っていたのが一番の原因ではないかと思ってます。
 そんな現状になることを見越していたわけじゃないのですが、当講座では、IEやNetscapeに依存したタグの情報は一切載せていません。
 どちらでも利用できるタグのみ、そして、それ以外のブラウザが出てきても、対応できるよう、当時最新のHTMLバージョン3.2に準拠した情報のみを載せてる事を
 心がけていました。
 
 現在、IEはバージョンが6、Netscapeはバージョンが7となり、当時ではできなかった細かいことができるようになっているようです。
 また、併せてHTML自体もバージョンが4.01まであがり、HTMLとしてはこれが最後のバージョンになりそうな流れとなっています。
 現在、HTMLに変わり、XHTMLという、XMLのよさとHTMLのよさを掛け合わせた規格が少しずつ普及しそうな感じです。
 (もっとも、情報が増えればそれだけ考えなきゃいけないことや複雑さが増すわけですが・・・)
 HTMLのバージョンがあがったことにより、現在は廃止もしくは推奨じゃないタグなどが出てきて、それに代わりスタイルシートというものを使うことを推奨されています。
 (スタイルシート自体の話は後に記述)
 
 当時はブラウザで文書と絵のみを表示という原始的な方法が主流でしたが、ネットワークインフラが整い始めたため、アプリケーションとの連携というものが、
 数多く見られるようになっています。
 それでも、ブラウザを介して情報を取得するという動作自体は何も変わっていないため、結局はHTML自体の情報は必要となっています。
 基礎のため、HTMLというものがどういったものか、Webサイトの構築に必要な情報の初歩的なことは変わっていませんので、その点は安心して当講座を見てください。
 その後に、追加された技術等に足を踏み入れるのが、いいかもしれません。
 
 今後、Web技術がどういった方向に行くか、まだまだわからないところもありますが、一部の部分に特化したWebサイトの構築は避けたほうがいいかもしれません。

JavaScriptの事(動的なWebサイトの事)
 最初のころのWebサイトは、とても原始的で、情報をただ表示するだけでした。
 表示しただけで、画面が動的に変わるということは無く、面白みにかけていました。
 現在では、一度表示したページ上で、さまざまな動きを与えることが可能となっています。
 そのために利用された技術は、現在ではたくさんありますが、一番最初となるのは、NetscapeNavigator2.0ベータのLiveScriptでしょう。
 名前はJavaScriptと変わりましたが、最初のころにこの技術が現れたため、情報は豊富に見つけ出すことができます。
 ブラウザがNN2以上、IE3.0以上があれば、利用できるため、動的なものでもちょっとしたものなら簡単に作れます。
 ただ、問題は、HTMLとは違い、プログラミングを行わなければならないことで、プログラムを組むためにいろいろと考えなければなりません。
 残念ながら、その人のセンス等がかかわってくるため、ちょっと込み入ったことをやろうとすると、うまく動作しなかったり、表示が遅くなったりと言うこともあります。
 ただ、ほとんどのブラウザで実装されているので、動的なサイトを作成したい場合は、これを利用するのもいいかもしれません。
 
 なお、JavaScriptにもバージョンがあります。
 ブラウザと対応したJavaScriptのバージョンは以下のとおりです。
 

バージョン 対応ブラウザ
JavaScript1.0 NN2、IE3
JavaScript1.1 NN3、IE4
JavaScript1.2 NN4.0〜NN4.05、IE5
JavaScript1.3 NN4.06〜NN4.75、IE5
 
 他に動的なサイトを作成するために利用されるものとしては、有名なものにShockwaveやJavaAppletがあります。
 これらは、ブラウザにプラグインを導入し、そのプラグイン上で動作させるという形を取っていますので、ブラウザによってはプラグインが無いために、
 表示も動作もできないという事もありえます。

スタイルシートの事
 当講座の最初のころからある、色をつける方法や、文字のサイズを指定する方法ですが、HTMLバージョン4.01ではスタイルシートで指定することが推奨されています。
 タグを見ていけばわかるのですが、文章としての構造を指定するタグと、文章に属性を指定するタグの二つに分類できます。
 前者の構造は、たとえば「<BODY></BODY>」タグであったり、「<TABLE></TABLE>」タグなど、HTML文書の構造を指定する部分に使われます。
 一方、後者の属性は、たとえば「<FONT></FONT>」や、「<B></B>」など、表現方法を指定する部分に使われます。
 スタイルシートは、主に、後者の属性、特に表現方法を指定するために考案されました。
 何かしらの文章をある場所に表示したい・・・
 そんな時、原始的な方法では、たとえば「<TABLE></TABLE>」をいくつも重ねて作成するという形をとっていました。
 この方法ではあまりにもタグ構造が複雑になりすぎるため、ある日を境に同じ内容で表現方法だけを変えたい、というのには不向きでした。
 スタイルシートを利用すると、文字色・背景色・文章の表示したい位置等の設定が簡単に行え、また、別のファイルに一括で記述して、それを読み込んで使うという方法も可能です。
 このおかげで、ある日を境に(内容は変わらないのに)印象が変わるWebサイトを作ることが可能となっています。

終わりに
 長い間お待たせした当「簡単なHP制作講座」ですが、今回を持ちまして、終わりとさせていただこうと思います。
 この十回目の最初のほうにも書いたとおり、大学4年の終わりから書き始め、現在は社会人として5年目が終わろうとしています。
 今の会社はソフトウェア開発(ハードウェアも含めて基盤を1から制作したりもする)が主流の、それでいて小規模な会社のため、開発する場合にも誰かに聞くということもできず、
 基本的に自分で情報を収集・吟味して作業することが必要となっています。
 また、小さな会社なので、5年勤めているだけで中堅としての立場で仕事をしなければならなく、結局自分で情報を収集するしかないため、そこに時間がかかり、
 趣味に割り当てる時間がほとんど無い状態で、正直、Webサイトの構築に関することは、浦島太郎状態で、逆に後輩に教えられるという事も少なくありませんでした。
 そんな中、98年1月から数えて6年が過ぎ、それでも終わっていない、しかも古い情報というのをそのままにしておくことがやはり耐えられず、
 けじめをつけるために終わらせる事にしました。
 今思えば、当初はここまでWeb技術が発展するとは考えられず、また、一般に普及するとは思っていませんでしたので、趣味の範囲として、少しの情報を出すだけで、
 あとは自分で考えてもらおうということで作成してましたが、やはりこれは自分としても中途半端で納得行かないサイトとなってしまいました。
 次のステップとして、HP制作講座を改めて作成しようと思っていますが、今度は、ソフトウェア開発の技術者としての立場で、開発(仕事)でも役立つような、
 そんなサイトにしようと思います。
 時間的に無理がかなりあるのですが、それはそれでしょうがない・・・と(−−;;;
 会社の同僚達にも有用な・・・そんなサイトになれるよう・・・
 少しずつ精進していこうと思います。

2004年02月25日深夜
当講座終了と、今後の発展を願って
    宣伝中止!


第九回目に戻る  講座トップページに戻る